大山とドラえもん
『ドラえもん』を勇退して久しいが、ドラえもんの声と聞いて大山が当てたもの(その逆も同じ)を連想する人は未だ多い。ドラえもんのガラガラ声はほぼ地声だが、若い頃は自分の声に対し、かなり思い悩んでいたという。
結果的にはその声がドラえもん役に繋がることになり、またテレビ朝日版『ドラえもん』のパイロット版「勉強べやのつりぼり」アフレコ時には、原作者の藤子・F・不二雄が「ドラえもんはこういう声をしてたんですね」と励ましもこめて絶賛したというエピソードもある。
『ハリスの旋風』などの演出者から、ドラえもんの声をやらないかと誘われ、
当時8巻まで出ていた単行本を買って、一晩で読んだという。
大山のドラえもんのイメージとして知られるものに、「ぼくドラえもんです」のセリフや独特の「ふふふふふふ」、「シシシシシシ」という笑い声などがある。
ドラえもんの物真似ではほぼ必ず使われる浸透ぶりだが、
これらは実は原作では存在せず、大山がアドリブで演じたものである。
自宅には家中にドラグッズがそろっており(「ドラえもんボックス」という箱に入れている)、
1999年に『徹子の部屋』に出演した際は、毎朝自分の声のドラえもん目覚まし時計で起床していると語っていた。
ドラえもんの金のブローチ(腹の部分には時計つき)をつけていたこともある。
ただし目覚まし時計は、勇退後に「ドラえもんの卒業」を理由にオークションに出していた。
『大山のぶ代の毎日のおかず』では、表紙に大山がドラえもんのエプロンを着ている写真が載っている。
この他、諸事情により没にはなったものの、実写版『ドラえもん』でも役に選ばれていた。
バラエティ番組等に出演した際、ゴールデンタイムではドラえもんの声を披露することははほとんどないが(クイズ番組で歌った際、ドラ声のため周りの出演者から笑いの声が漏れる一幕はあった)、一方で2006年2月にTBSラジオ深夜番組の『極楽とんぼの吠え魂』に出演した際は、ドラえもん声を披露。
また同年6月の『徹子の部屋』出演時にも、打ち明け話と共に黒柳徹子の前でドラえもんの声を披露している。その他、2007年2月15日放送のとんねるずのみなさんのおかげでした内の「ムダ・ベストテン」のコーナーでは久々にゴールデンタイムでドラ声を披露している。この他、『大沢悠里のゆうゆうワイド』には、ドラえもん声でのサウンドステッカーが存在する。
T・K・O、パラシュート部隊、林家たい平、石塚英彦など、大山のドラえもんの物真似にしていた芸人も多い。勇退後はその頻度が下がっているが、現在でも物真似をしている人物もいる。
2006年5月、26年間のドラえもん声優時代を振り返った自伝エッセイ『ぼく、ドラえもんでした。涙と笑いの26年うちあけ話』